既存顧客の維持をLTV(Life Time Value)から考える
前回記事の続編…になるんでしょうか。
下記が前回記事です。
引き続き営業・マーケティングにおける既存顧客の維持に引き続きスポットライトを当てていきます。
今回はLTV(Life Time Value)から顧客維持するためにどうするべきかを考えていきます。
LTV(Life Time Value)とは
LTV(Life Time Value)とは経済学用語の1つで「顧客生涯価値」と訳されます。
端的に伝えると顧客が生涯どれぐらいの利益をもたらすかを算出したものになります。
これを算出することで既存顧客の継続率向上にどう関わってくるのか…のお話をさせていただく前に、
そもそもLTVが注目されている理由についてお伝えいたします。
まず企業のDX化が推進されているという話は以前させていただいた通りですが、
ビックデータ活用の一例であるCRM(カスタマー リレーションシップ マネジメント)の利用が増えてきた背景が挙げられます。
CRMとは「顧客関係管理」や「顧客管理」と訳される顧客中心に考えた、利益最大化のためのマネジメント手法です。
最近では顧客管理や解析を行うIT系ツールを指す言葉として使われるケースが多いです。
以前よりもこのCRMを用いて市場の細分化や激しい変化に適応し、
既存顧客の流出を防いだり、マーケティングを行うことが必須となってきました。
また、CRM以外にもサブスクリプションサービスへの注目度が増したことも一要因として挙げられます。
サブスクリプションサービスの概要は改めてお伝する必要もないかもしれませんが、
「定額料金を支払うことで、一定期間のサービスを保証する」ビジネスモデルとなります。
このサービスにおいて最も重要なのが「顧客の満足度の向上と利用の継続」です。
所謂定額制サービスとも言い換えられるものですが、
顧客の継続がそのまま利益につながるビジネスです。
そのため顧客満足度を確認する指標としてLTVが用いられています。
LTVの算出方法
具体的にLTVが何から算出を行った結果の指標となっているかを理解するためにも、
LTVの算出方法を確認しておきましょう。
サービス等にもよって細かい算出方法は変わってしまいますが、
LTV=平均顧客単価×購買頻度×継続期間
がLTVの算出方法となります。
1点だけ注意してほしいのが販売・成約による純利益や顧客獲得や維持にかかるコストがここには含まれていません。
なので利益として確認する場合はここから純利益のバイアスをかけたり、コストを差し引いて考える必要があることだけ覚えておいてください。
それでは具体的に算出をしてみます。
例えば小売系会社がネットにて商品を販売している場合、
商品Aの値段が2,000円、使い切るのが約90日間、また1年間のうちに約20%の人が商品を使わなくなるとします。
そうなると…
2,000円(商品価格)×4回(1年間での購入回数)×5年間(想定継続年数)
=40,000円
これが商品Aの場合のLTVとなります。
このLTVを一つの指標として会社、商品、サービスの利益最大化や顧客維持を行っていきます。
LTV最大化のためのポイント
実際に算出したところでこのLTVをより大きくするためにはどうしたらいいのでしょうか。
式を見てもらうと分かりやすいのですが、
1つづつ課題や改善対策を立てやすいのもLTVの特徴です。
LTVを構成する3つのポイントである、
- 平均顧客単価
- 購買頻度
- 継続期間
こちらを改善することによって必然的にLTVが向上します。
分かりやすく言い換えると、
- 顧客単価を上げる
- 購買頻度を高める
- 継続期間を長期化する
これを行います。
LTVが上がることによって利益の最大化、顧客の維持ができているかが分かるということになりますね。
簡単に言ってしまえば顧客に商品やサービスの価値が継続してあるようであれば契約期間も長くなりますし、
アップセルやクロスセル等を実施して、単価や購買頻度の向上を図ることができます。
よくある施策としては
- 商品や契約内容の値上げ
- 商品・価格バリエーションの用意
- 関連商品・サービスのセット販売
- 原価の抑制
- 契約更新前のリマインド
- メールマガジンの配信
が挙げられます。
それぞれの課題や目標数値のためにどうするかをしっかりと考慮して、
対策を練るためにもLTVの指標は重要となってきます。
おわりに
今回はLTVに絞って話をさせていただきました。
マーケティングや営業において長期的な目線で必要であるLTVの重要性に関してはお伝え出来たのではないかと思います。
LTVを算出するためにも重要になってくるのがCRMの導入や顧客データの収集と分析です。
データの活用が必須な現代においてどのようにして収集や分析も行うのかも重要ですので、
利益の最大化を考えるためにも全体的なDX化を目指して行動しましょう。