正社員(正規雇用)と非正規雇用の違いは?

多種多様な働き方がある昨今。

今後の自身の将来を考えるうえでもあるゆる知識が必要になります。

今回は基本的な部分ではありますが「正規・非正規雇用の違い」からまずは整理していきましょう!

 

 

 

そもそも正社員と非正規雇用の定義は?

f:id:s1160242:20200903022443j:plain

雇用形態ってたくさんありますよね。

因みに「正社員とアルバイトの違いってなに?」って聞かれて答えられますか?

「給与体系が時給と月給の違い?」

「勤務時間がフルタイム勤務かそうでないか?」

 

実は正社員や非正規雇用としての定義自体は法律上明確にされていません。

給料をもらって働いている人は全員「労働者」という括りになります。*1

 

ただ一般的な認識としては下記の通りです。

・正社員(正規雇用

  1. 労働契約期間に定めがない。
  2. 就業規則に明記されている所定労働時間がフルタイムである。
  3. 直接雇用である。
  4. 労働契約期間に定めがない。

・非正規雇用

  1. 上記の正規雇用以外の雇用全般。

 

正規雇用に関しては上記の通り様々な働き方が当てはまります。

それでは実際に各雇用形態ごとに特徴を掘り下げてみましょう。

 

正社員(正規雇用)の特徴

f:id:s1160242:20200905173233j:plain

正社員としてのメリット・デメリットの部分ともなりますが、

下記が正社員の特徴となります。

①安定性がある。

基本的に労働期間の定めがない正社員は定年までの勤務を想定した雇用となります。

そのため毎月の収入が見込めるといった安定した基盤を築けるでしょう。

もちろん会社の業績等の特定の理由がある場合には解雇されるのでご注意を。

(※ちなみに解雇には整理・普通・懲戒解雇といくつか分類がありますが詳細はまた別の機会に。)

また、収入面で言うと賞与が非正規雇用者に比べて高くなるケースが多いのも魅力でしょうか。

 

②社会的信用が得られる。

雇用保障がされているため、社会的に信用されやすい立場にあります。

具体的にはローンやクレジットの審査が通りやすいといったことがあります。

これも上記の通り安定した収入を見込むことができるため、返済能力があると判断されやすいためです。

 

③仕事の裁量権大きい。

これは役職や年次、会社にもよって大きく異なってくる部分ですし、

一概にすべての正社員が裁量の大きい仕事ができるというわけではありません。

ですが同じ会社内での 立場で考えたとき、裁量権は非正規雇用者ではなく正社員であることが一般的です。 

また最終的な責任が正社員に向かうことも理解しておくべきです。

例えば会社で運営する店舗の欠員が急にあった場合、そこの穴埋めをするのは誰でしょうか。

裁量権が大きくなればなるほど、責任が伴うことも一つの特徴です。

 

④福利厚生面での待遇が充実する。

法的に定められた社会保険に関しては、非正規雇用であっても一定の条件がそろえば会社側としては保険適用の対応をすることはもちろん必須です。

しかし、それ以外の会社が独自で定める福利厚生部分。

例えば住宅手当や社員寮、保養施設の提供、資産形成補助等は正社員のみ適用されるケースも多々あります。

 

⑤会社に従う必要がある。

当たり前の話にはなってしまいますが、正社員は会社に雇われた身になります。

そのため例えば転勤・異動といった辞令があった場合も基本的に従わなければなりません。

もしこれから一会社員として働きだす場合、契約内容にはしっかりと目を通しましょう。

 

 正規雇用の特徴

f:id:s1160242:20200905174508j:plain

正規雇用に関しては上記で伝えた通り、様々な雇用形態があります。

それぞれの種類を挙げたうえで全体としての特徴を掘り下げてみましょう。

 

まず、非正規雇用といわれる働き方としては下記の通りです。

  1. パートタイム(アルバイト)労働者
  2. 契約社員
  3. 嘱託社員
  4. 臨時社員
  5. 派遣社員
  6. その他(業務委託・請負等)

今回は非正規雇用自体の特徴の説明がメインなので、各雇用形態の特徴はまた次回以降に…。

正規雇用の特徴ですが、

①自由度が高い。

これが主な特徴になりますが、勤務日数や時間が選べることは大きなメリットです。

自分のために時間を使いたい人、なかなかフルタイムで働けない人などが都合がいい

働き方で働くことが可能です。

 

②仕事内容が明確。

基本的に雇用契約を結ぶ際に仕事内容が決められています。

そのため、自分がどんな仕事をするのかということが明確になっているため仕事を選びやすい特徴があります。

それに伴って契約内容と業務内容が違う場合は拒否することも可能です。

また、仕事の裁量権が与えられていないため基本的には仕事に対する責任が軽いことが多いです。

 

③契約期間が決まっている。

あらかじめ契約期間が決まっているため、契約更新がされなければ当然雇用契約は解除となります。

正社員と違って安定性がない言われているのが主にこの部分となります。

会社側からは一時的に安価で人員の確保ができるかつ、会社の業績によって契約の更新を選べるメリットがあります。

もし長期的な契約を考える場合は予め雇用形態に関しても考えておきましょう。

 

④社会的信用が得にくい。

これは正社員の特徴とは真逆になりますが、安定的ではない雇用形態のため社会的な信用を得にくくなります。

ローンやクレジットの審査が通りにくい、またカードローンの優遇が受けにくいといった弊害もあります。

また、経歴としても評価の対象にはなりにくいため、転職時に不利に働く可能性もあります。 

 

⑤福利厚生面での待遇差がある場合がある。

正規雇用者は、正社員にはあった手当・制度が利用できない可能性があります。

ですが、2020年4月に「パートタイム・有期雇用労働法」が適用スタートされました。

 簡潔に内容を述べると下記2点となります。

  1.  同じ企業で働く正社員と短時間労働者・有期雇用労働者との間で、基本給・
    賞与・手当など全ての待遇について、不合理な差を設けることが禁止。
  2. 正社員との待遇差に説明を求められた場合、説明義務が発生するようになる。

 理由がない限りは通常の正社員同様の扱いをする必要があるということになります。

もちろん差別的に取り扱うことが禁止されている対象者など条件はありますが、

法律に即する部分に関しては平等になっています。

 

おわりに

f:id:s1160242:20200907054218j:plain

今回は正規・非正規雇用の違いに関してまとめてみました。

 

冒頭でも話しましたが現在は働き方も多種多様化しており、

国でも法律の見直しや様々なガイドラインの作成がされています。

例えば下記の在宅ワークに関する総合支援サイトなんていい例じゃないでしょうか。

自営型テレワーク(在宅ワーク)に関する総合支援サイト「ホームワーカーズウェブ」厚生労働省委託事業 | ホームワーカーズウェブ 

 

労働者の待遇が平等になる動きが活発化し、正規・非正規雇用の垣根もなくなってきました。

正規雇用にこだわらない自由な働き方も尊重される時代となりました。

だからこそ改めてそれぞれの働き方を知り、自分にあった働き方を目指しましょう!

 

*1:労働基準法9条、労契契約法2条1項より